薄⽑に悩むのは男性だけと考えられてきましたが、現在では薄毛に悩む女性の数は増加しています。男性ホルモンの分泌が大きく影響する男性とは異なり、女性の薄毛の原因には、加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れ、鉄や亜鉛などの栄養不足、薬剤使用によるものなどがあり多岐にわたります。
女性に多くみられる女性型脱毛症では、髪の毛の分け目がめだつようになり自覚する方が多いです。その後、頭頂部から前頭部にかけて毛髪全体が薄くなります。女性も男性ほどではありませんが、男性ホルモンを持っています。女性ホルモン(エストロゲン)の量が減るようになると薄毛や抜け毛といった症状が見られることから、女性が閉経を迎える更年期の世代の方に多くの患者様が見受けられます。
治療について
女性型脱毛症では、ヘアサイクルが乱れていて休止期が長くなり、休止期の毛包が増えています。この休止期の毛包に作用しヘアサイクルの乱れを正常化させ、血行を促進する効果があるミノキシジルの内服と、毛髪に必要な栄養成分であるアミノ酸、ミネラル、ビタミンの内服による治療を主に行います。
内服治療
ミノキシジルは海外では高血圧の薬として開発されましたが、増毛効果が注目され、発毛治療薬として使用されるようになりました。薬は1日に1回内服していただきます。4 〜5 ヶ月ほどで効果を実感される方が多いため、少なくとも半年間の治療の継続をおすすめします。
このほか、高齢の方や内服治療に抵抗のある方には、頭皮に直接薬剤を注射するヘアフィラー治療を行っています。
ミノキシジルの副作用
- 多毛症
- 顔のむくみ(まぶた)
- 頭痛
- 吐き気
- 低血圧
- 動悸
- 不整脈
- 肝腎検査異常
- 皮膚のかゆみ
- 炎症
- 発赤
- 初期脱毛(はじめの一ヶ月ほど抜け毛が増える場合があります。)
ヘアフィラーとは
髪の再成長や頭皮の再構築のために開発されたペプチド化合物を含む薬剤を2週間毎に4回注入します。薬剤効果は2週間続き、個人差もありますが、8週間ほどで効果が現れると報告されています。
ヘアフィラー治療の副作用
- 内出血
- 痛み
- 薬剤アレルギー(注入剤もしくは麻酔薬など)
ほかにも、ビビスカルプロフェッショナルといった内服薬のほか、外用薬ではペロバームローションを用いた治療を行っております。
ビビスカルプロフェッショナルとは
北欧で開発された育毛を目的としたサプリメントで、海洋性たんぱく質やポリフェノールの一種であるプロシアニジンB2、水溶性ビタミンB群のひとつであるビオチンなどの成分が含まれています。1日2回の服用になります。天然成分で構成されていることもあり重篤な副作用の報告は現在のところありません。
ペロバームローションとは
頭髪の再生を促すとされる機能性ペプチドが含まれているローションです。機能性ペプチドは毛母細胞をいくつかの経路から刺激していき、頭皮の血流を良くしたり毛包を活性化させるなどの効果が期待できます。使用方法としては生え際から頭頂部に5~6回プッシュして、軽く頭皮になじませるようにマッサージをしていきます。毎日、乾いた頭皮に向けて朝晩2回行うようにします。AGAだけでなく女性の男性型脱毛症(FAGA)にも効果があると言われています。なお、副作用については現在のところ報告はありません。なお効果を実感するには最低でも2~3ヵ月が必要です。
未承認機器・医薬品の掲載について
ミノキシジル錠
- 未承認医薬品等である事の表示
ミノキシジル錠は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品となります。
- 入手経路
日本国内の医師専用の輸入代理店を経由して個人輸入しています。
- 国内の承認医薬品等の有無
同一成分・性能を有する国内一般用医薬品として、内服薬はありませんが外用薬にはリアップがあります。
- 諸外国における安全性等に係る情報
主成分であるミノキシジルは高血圧の治療に対してはFDAの承認を受けています。しかし、脱毛症治療薬としては承認されていません。
- 副作用・リスク
むくみ、多毛、頭痛、めまい
ヘアフィラー
- 未承認医薬品等である事の表示
Dr.CYJ ヘアフィラー製剤は未承認医療機器です。Caregen Co., Ltd.が製造しています。
- 入手経路
海外メーカーから医師の個人輸入で入手しています。
- 国内の承認医薬品等の有無
同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
- 諸外国における安全性等に係る情報
注射部の痛みやそう痒感、発疹、皮膚炎、紅斑などが報告されています。
- 副作用・リスク
注射部の痛み、そう痒感、発疹、皮膚炎、紅斑